研究概要 |
1.平成7年3月30日から同年4月28日まで連合王国(主として,全国社会福祉研究所NISW,カムデン,ウェストミンスター等のロンドン・バラーおよびエイジ・コンサーン等の民間団体)およびベルギー(ル-ヴァン大学社会保障研究所)を訪問して、聞き取りと図書資料の収集により、福祉サービスの基準保障の調査を行った。これによって、とりわけイギリスの在宅支援サービス基準,痴呆性老人の施設サービス基準および苦情処理手続基準の現状と問題点が明確に把握された。 2.一方、わが国では現行の措置方式から、介護保険方式へ改革するにあたって、要介護度の等級と判定基準の新規設定、サービスの範囲・水準の見直し、施設体系(老人病院、療養型病床群、老人保健施設および特別養護老人ホームまで含める)の見直し、費用負担基準、さらに苦情処理制度の新設などが問われている。それについて老人保健福祉審議会および厚生省介護対策本部における法案準備作業、さらに地方自治体、全国社会福祉協議会、民間事業者の側における新介護システムの導入にそなえた基準作業などを調査した。これによってアセスメントシートやホームヘルプ派遣基準、ケアプランニングの実施状況および基盤整備状況について実態と問題点が把握された。 3.以上の調査研究の成果の一部は、別掲の研究発表のとおり「イギリスの在宅支援サービス基準」「イギリスの苦情処理手続基準」および「イギリスの介護保障とわが国介護保険の権利義務関係-在宅サービスを中心に」などとして発表された。また日本社会保障法学会の「介護保障と介護保険」シンポジウム(平成7年10月於立正大学)および日本学術会議社会法学研究連絡委員会主催の「介護保険」シンポジウム(平成7年11月)(於東京都庁)の企画を行い、シンポジストの1人として研究成果の一部を発表した。
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