本年度の進行状況 1.Social Accounting Matrixの基本原理についての研究を基本的に終了した。具体的成果としては、2つの基本的文書(英文)の日本語訳を作成した。 2.汎用表計算ソフトによりSAM用ソフトウェアの作成を試みたが、機能上の制約から断念した。その替わり、いくつかの数値計算用ソフトの評価をおこない、SAM作成にもっとも適するソフトウェアを確保するめどをつけた。 3.以上の2点にもとづき、SAMについての入門的解説を現在作成中である。これはまもなくディスカッションペ-パ-として発行する予定である。 4.1993年のロシアSNA統計データが比較的まとまって公表されたため、予定を一部変更し1993年ロシア経済マクロSAMの作成に着手した。これに応じてロシア経済統計についての研究を強化することとし、その最初の成果として、ロシアの金融部門統計(1995/7/14)、ロシアの資金循環(1996/1/26)について北海道大学スラブ研究センターで報告した。またロシアSAM作成の最初の成果についても、一橋大学(1996/3/2)で報告した。 5.日本経済SAMの作成は、データが多いためにかえって進行が遅くなっている面がある。現在、1990年に焦点を絞ってSAM作成の準備をおこなっている。 次年度の予定 次年度は2年間の研究計画の最終年であるので、これまでの成果をペ-パ-としてまとめることを最優先課題とし、そのために次のことをおこなう。 1.1993年以降のロシアSAMの作成を試みる。 2.少なくとも、1993年ロシア経済SAMと比較可能な日本経済SAMを作成する。 3.当初の予定通り、旧西独-旧東独SAMを作成する。旧東独地域の産業連関表の発表を遅れているため、研究計画期間中に大規模なSAMを作成できないかもしれないが、ロシアSAM程度の規模のSAM作成をめざす。
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