初年度に当たる平成七年度では、製造業の中の工作機械産業の構造転換に焦点を当てることにして、工作機械産業工業会や専門家(名古屋経済大学教授三浦東教授)等に実地調査・ヒアリングを行った。その際に入手した工作機械産業に関する詳細なデータをコンピュータに入力しデータベース化を行っている。さらに、四半期別のデータに基づいて構造変化の要因とその時点を探るために、構造変化をダミ-変数で表し、それの推計を行った。その結果、チャウ・テストによって構造変化の年は1982年となった。また、構造変化は短期的で循環的なものではなく、長期的・構造的であるとの結果が示された。ユニット・テストでも固有根も1となり、望ましい結果が得られた。これらの結果の一部は、平成7年11月の日本政策学会中部地方大会にて「工作機械工業の構造変化」と題して発表した。さらに、平成8年度の理論計量経済学会での発表に向けて、現在準備中である。
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