研究概要 |
本研究の最も重要な成果は次の定理の証明である。 次のような微分ゲームを考えよう。 (1)プレーヤーの数をM、状態変数の数をN、各プレーヤーの制御変数の数をJ_iとする。 ただしM,N,J_iは任意の正の整数であり、i=1,…,Mである。 (2)xをN次元の状態変数ヴェクトル、c_iをJ_i次元の(第iプレーヤーの)制御変数ヴェクトルとする。 (3)状態変数の運動をN次の連立微分方程式系 x=F(x,c) とする。ただしC≡(C_1,C_2,....,C_M)でドット(・)は時間微分を示す。 (4)第iプレーヤーの目的汎関数を V_i=∫^∞_0U(C_i)exp[-rt]dt とする。だだし時間割引率rは正の定数とする。 このような微分ゲームにおいて、もし(i)関数Fがxとcに関して一次同次、かつ(ii)関数u_iがc_iに関してα次同次、であれば (A)任意のiに対してプレーヤーi以外の全てのプレーヤーのMarkov戦略c_j(x),j=1,...,M,かつj≠i,がxについて一次同次ならば、プレーヤーiのMarkov戦略も一次同次になる。 (B)(A)のもとで各プレーヤーの価値関数V_iはxに関してα次同次となる。 証明は本研究成果報告書第1章、あるいはLong and Shimomura(Journal of Economic Behavior and Organization,December1997)を参照されたい。
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