研究概要 |
本年度(平成8年度)は、昨年度金利の期間構造分析のための1ファクター連続時間モデルを離散時間に書き直す新しい方法(「On the discrete Ito formula and one factor interest rate models])を考案したことを承けて、これまで連続時間のフレイムワークで考えられてきた構造変化問題のいくつかの結果を離散時間の中に埋め込むことを主に研究してきた。そして、そのために必要ないくつかの技術的な問題をローカルアプローチにおいてはVasicek(1977)の方法を中心に、Jamshidiasn(1989,1993)等の方法を主に研究してきた。一方マルチンゲ-ル法の基づくグローバルアプローチでは主としてHeath,Jarrow and Morton (1992)の方法を中心に研究してきた。それらの成果は前者においては「金利の期間構造決定モデル」(1996年)一橋大学研究年報、経済学研究第37巻、また、後者は「金利の期間構造決定モデルII」(1996年)成城大学経済研究所研究年報第9号に発表してきた。さらに、正規分布における分散推定問題とブラウン運動による連続時間近似との間の関係について両者が不可分であることが分かった。現在逐次的方法で正規分布の未知の分散の最適推定を後退帰納法で考えている。
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