研究概要 |
平均が0の多変量ベクトル時系列より分析を始めた。この解析はJohansen (Econometrica, 1991)の自己回帰過程に関する共和分分析に対立するものであるから、困難であったが、非常に簡潔なモデルについてはおおよその検討が付いていたので、拡張はあらかじめ予定されたようにできた。この研究では実証研究として日本の貨幣供給と国民総生産の間の研究された。さらに、新たな検定法を用いて、古典的な時系列データの単位根検定が見直された。 共和分が存在する場合の、日本における貨幣額と国民総生産に関する因果性研究の論文 “Unit Root Analysis of the Causality between Japanese Money and Income"は理論経済計量経済学会の西部部会で報告された。また同じく、8月に、慶応大学で開催されたEconometric Sosiety World Congressで報告された。当論文はJapanese Economic Reviewに投稿されたが、既に条件付きで受理されている。またNelso and Plosserのマクロ時系列の再検討の論文は、オーストラリアで開かれた、Model Simulation学会で報告された。招待論文として受理されて、また “Mathematics and Computers in Simulation" 採択された。以上のような今年度の研究の進行状況からして、当科学研究費による研究は順調に成果を上げていると考えられる。
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