研究初年度である平成7年度においては、S. J. PackとJ. S. Zdanowiczが着手した米国商務省センサス局U. S. Merchandise Trade Data Base(CD-IM)を利用した国際価格マトリクスInternational Price Matrixの作成と統計的分析・手法による転移価格算定のプロセスの検討を目的としていたが、この目的を遂行するために、S. J. PackとJ. S. Zdanowicz-IMを購入し、研究を実施した。S. J. PackとJ. S. Zdanowiczの研究成果の検討を終え、U. S. Merchandise Trade Data Base(CD-IM)を利用した国際価格マトリクスInternational Price Matrixを作成中である。当初の予想以上に時間を要したがほぼ作成を終え、移転価格算定プロセスの整理の作業を並行して行っている。 S. J. PackとJ. S. Zdanowiczの研究は、例えば電話機を例にして、国別、月別に通関レベルでの価格を悉皆的に取り上げ、平均値や中央値を計算していくという単純ではあるが、時間のかかる作業であることがわかった。 しかしながら、米商務省センサス局の商品貿易データベースがHCコードにもとづく10桁コードによる商品分類であり、235あまりの国について価格や数量に加え、航空輸送や海上輸送の区別もなされていることなど、通関レベルでの移転価格算定のデータとしての有効性は十分確認できた。とりわけ輸入データベースは各取引に対する保険や運賃情報を含んでいることは注目される点である。これらの情報をもとに、同一商品の価格比較が可能であることがわかった。
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