• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

課徴金精度の経済分析-シカゴ学派的アプローチ-

研究課題

研究課題/領域番号 07630047
研究種目

一般研究(C)

研究機関北海道情報大学

研究代表者

増田 辰良  北海道情報大学, 教養部, 助教授 (70190361)

キーワード独占禁止法 / 公正取引委員会 / 課徴金制度
研究概要

今年度はカルテル事件に関する産業組織分析についての文献の調査と課徴金制度に関わる資料やデータの収集をおこなった。そして次の二つのことを解明した。
第一に課徴金制度が導入されたときの経済状況をいミクロとマクロとの両面から再考察し,第二に公正取引委員会「試案」と「政府案」をめぐる論争点を明確にすることを通じて当該制度がもつカルテル抑止効果について検討した。
第一については,石油ショックに伴う闇カルテルが多発したこと,カルテル事件の市場規模が全国的規模にまで広がるものが増えたこと,累犯事件の多くが価格カルテル事件であったことなどを解明した。さらに,この時期から事業者団体のカルテル事件には法第3条後段を適用するよう法の適用範囲に変更がみられたが,これは事件の悪質性を表している。その意味でも制度の導入は必要であったと判断できる。そして事業者団体に関する独占禁止制作の効果を通史的に調査する必要性もある。
第二については,(1)課徴金の算定基準としてカルテルによる不当利得分を没収するという公取委試案とは異なり政府案では過去の売上高利潤率を基準とすることになったということから,課徴金制度の性格が当初のものとは異なるものとなってしまったこと,(2)公取委にとって課徴金の徴収が義務的となり、裁量の余地がなくなってしまったことを解明した。こうした政府案の修正過程を通じてカルテル抑止効果は削減されることになったと評価できる。このことは政府組織内における公取委の位置づけを考えるときのヒントになると考えられる。
この種の研究においては常に資料やデータの入手可能性が問題となる。我が国の既存の研究ではカルテルを企業規模別に検証したものはない。今回の研究でも,例えば資本金規模などによる企業規模別データが入手できなかった。このデータが入手できれば,カルテル事件を犯す限界企業規模を算出できることになる。

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi