研究概要 |
当初の研究計画に従って、予定通り、平成7年度の研究を実施した。すなわち、 1.研究計画における「資料収集」については、 (1)ドイツ公文書館(・Sachsisches Staatsarchiv Dresden[旧東ドイツ],Landesarchiv Berlin,Amerika-Gedenkbibliothek Berlin,Deutsche Bibliotheksinstitut Berlin,Institut fur Zeitgeschicte Munchen 他)からマイクロフィルム購入の形で資料収集を実施した。さらに、 (2)ドイツ、オーストリア及びスイスの18大学図書館からドイツ自動車産業関連資料(主として戦前・戦中期の学位論文及び図書)をマイクロフィルム購入の形で入手した。 これらの資料が収集できたことは、この分野の日本での経営史研究に一つの貢献ができるものと確信をしている。 2.戦前・戦中期のドイツ自動車産業での経営形態や生産システム変化・発展を詳しく検討してきた。特に1939年に設立されたフォルクスワ-ゲン社の生産システムに注目して、アメリカ式量産システムの導入に関して解明することに努めたが、ドイツ自動車産業におけるアメリカ式大量生産システムの導入とドイツ的な形での需要について、同時代に展開された論争や議論には、現代において改めて検討されるべき経営史的問題が含まれていて興味深く、今回の研究での一つの成果であると思われる。 3.この研究は、テーマの性格からも、丹念な史実の確認と詳細な歴史的考証を要するものであり、今後この領域について、さらに深く掘り下げることにより、ドイツ自動車産業の埋もれた歴史を掘り起し、比較経営史の国際的論争に問題提起を行うことを課題とするものである。研究計画に予定した通り平成9年度の公表を目標にさらに研究を続行するものである。
|