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1997 年度 研究成果報告書概要

欧州通貨制度,欧州通貨単位および欧州通貨統合に関する理論的・実証的・歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07630085
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 財政学・金融論
研究機関神戸大学

研究代表者

井澤 秀記  神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (80159657)

研究分担者 藤田 誠一  神戸大学, 経済学部, 教授 (40135778)
研究期間 (年度) 1995 – 1997
キーワード欧州通貨制度 / 欧州通貨危機 / 投機的アタック / 欧州通貨単位 / 欧州通貨統合 / 欧州中央銀行 / 欧州単一通貨 / ユーロ(euro)
研究概要

井澤は3年間に3つの論文を発表し、金融学会においてその研究成果を報告した。まず、井澤(1997)において、1992年9月と1993年8月の欧州通貨危機に関してゲーム理論的かつ実証的に分布した。ファンダメンタルズの悪化を原因とするクル-グマンとサンスポットによる投機家の自己充足的な期待の変化によるというオブズフェルドの2つの理論を批判して、シグナリング・ゲームに基づく通貨危機のモデルを代替的に提示した。さらに、井澤(1996、1998)において1999年1月1日にスタートする予定である欧州通貨統合について、その課題と展望をまとめた。98年5月にユーロ加盟国が決定される予定である。マ-ストリヒト条約に明記された参加の5条件をいくつの国が満たすことができるかは、97年のデータが発表されるのを待たねばならないが、単一通貨ユーロ(euro)が誕生した時に国際金融システムにどのような影響を及ぼすことになるか計算を行った。
藤田は、国際通貨論、国際通貨制度論の視点から、EMSとECUについての研究を行った。EMSについては、80年代後半からの安定期に、本来の対照的な制度からドイツを中心とする非対称な制度に変質したことの原因と意味を明らかにした。ECUについては、特に民間ECUを中心とした、通貨統合過程が進展しなかった原因を、通貨としてのECUの未成熟性に求め、さらには競争通貨アプローチの理論的な問題点も明らかにした。1999年1月にEMUがスタートすれば、国際収支調整や金融政策における非対称性と、国際通貨の機能における非対称性は消滅するが、各国の実体経済面での非対称性は依然として存在するため、EMUが各国の産業構造(分業構造)におよぼす影響によっては、EMUが実物ショックにより大きく撹乱される可能性がある点を指摘した。これらの研究成果については、金融学会(1996年)、信用理論研究学会(1997年)、国際経済学会(1997年)で報告した。

  • 研究成果

    (16件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (16件)

  • [文献書誌] 藤田 誠一: "The ECU as an "Artificial Currency"" Kobe University Economic Review. 41. 15-29 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田 誠一: "国際通貨問題におけるグレシャムの法則-「ドル化」現象と並行通貨ECU" 彦根論叢. 299. 43-57 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 井澤 秀記: "欧州通貨統合の展望と課題" 国民経済雑誌. 173. 45-58 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田 誠一: "EMSと中心国ドイツ-非対称性は有効か" 国民経済雑誌. 174. 61-74 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 井澤 秀記: "通貨危機と投機的アタック" 国民経済雑誌. 176. 33-48 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 井澤 秀記: "欧州単一通貨「ユーロ」の国際通貨としての影響について" 経済経営研究年報. 47. 91-97 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田 誠一: "対称的な国際通貨制度構築の試み:『通貨制度改革概要』をてがかりにして" 経済学研究年報. 44. 1-31 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 藤田 誠一: "EU通貨統合-非対称性と国際通貨論の視点から" 信用理論研究. 16. (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Seiichi Fujita: "The ECU as an "Artificial Currency"" Kobe University Economic Review. 41. 15-29 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Seiichi Fujita: "Dollarization, Parallel Currency and "Gresham's Law" in International Finance" Hikone Ronso (Shiga University). 299. 43-57 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hideki Izawa: "Recent Developments and Prospects for European Monetary Union" Kokumin-Keizai Zasshi, (Kobe University). 173. 45-58 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Seiichi Fujita: "Effectiveness of German Dominance in the EMS" Kokumin-Keizai Zasshi. 174. 61-74 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hideki Izawa: "Currency Crises and Speculative Attacks" Kokumin-Keizai Zasshi. 176. 33-48 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hideki Izawa: "On the Impact of the Eurpean Single Currency 'Euro' as an International Currency" Annual Report on Economics and Business Administration. 47. 91-97 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Seiichi Fujita: "Asymmetries in the EMS : the Implication of German Dominance" The Annals of Economic Studies. 44. 1-31 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Seiichi Fujita: "Monetary Union in EU" Studies of Credit Theory. 16. (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-03-16  

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