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1995 年度 実績報告書

バブル経済の影響と金融システム:理論と実証

研究課題

研究課題/領域番号 07630092
研究種目

一般研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

藪下 史郎  早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (30083330)

キーワードバブル経済 / 金融システム / 情報の経済学 / 逆選択 / モラル・ハザード / マクロ経済変動 / 情報の不完全性
研究概要

住宅専門金融会社(住専)の破綻処理に関する議論は今日盛んに行われ、政治問題化しているが、金融市場においてそうした問題がなぜ生じるのか、それは資金配分にどのような影響をもたらすのか、またそうした問題を避けるための適切な政策はどうあるべきか、などはあまり明らかにされていない。本研究は、「バブル経済の崩壊と金融システムの安定性」に関わる本質的な問題にアプローチするものである。
拙著「金融システムと情報の理論」(東京大学出版会、1995年10月刊行)では、近年発展してきた情報の経済学の観点から、金融システムの安定性と金融機関の健全性につい分析している。すなわち、金融市場で一般的な特質として、貸し手と借り手の間の情報の非対称性がある。これが逆選択やモラル・ハザードの問題を生じさせ、金融市場での効率的な資金配分を難しくし、かつ銀行などの仲介メカニズムを破綻させる。これが金融システムの不安定化である。当然、銀行の行う情報活動は資金配分において重要な役割を果たすが、情報の不完全性を完全に回避することはできないのである。
また現実問題として、長期にわたる不況が金融システムと密接に関連していることが指摘されている。金融部門と実物経済部門との相互性依存関係は古くからのマクロ経済学の中心課題である。論文「銀行の自己資本・貸付とマクロ経済変動」(早稲田政治経済雑誌、近刊)では、こうした問題を分析しているが、特に、不完全な資金市場での銀行の貸付行動およびそれに基づくマクロ経済変動を検討している。次年度にはこうした金融システムとマクロ経済変動との関連を中心に研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 藪下 史郎: "銀行の自己資本・貸付とマクロ経済変動" 早稲田政治経済雑誌. 325号(近刊).

  • [文献書誌] 藪下 史郎: "金融システムと情報の理論" 東京大学出版会, 280 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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