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1996 年度 実績報告書

バブル経済の影響と金融システム : 理論と実証

研究課題

研究課題/領域番号 07630092
研究機関早稲田大学

研究代表者

薮下 史郎  早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (30083330)

キーワード金融システム / 銀行取り付け / メインバンク / 情報の非対称性 / 逆選択 / モラルハザード / マクロ経済変動
研究概要

本研究では,主として金融市場における不確実性や不完全情報に注目し,それが金融機関の行動,資金配分,およびマクロ経済変動にどのような影響を及ぼすかを検討した.
1.「金融システムと情報の理論」では,不完全情報下の資金市場および金融仲介機関(銀行)の役割など,貨幣金融経済に関わる諸問題を理論的,歴史的,および計量的に分析した.具体的には次のような問題を検討した.(1)日本の金融制度の特徴として指摘されるメインバンク制度も,情報の問題を解決する一手段と考えられる.一方,情報の不完全性はメインバンクに独占的な立場を与えたり,また独占からのレントを入手しようとする過剰な情報活動が行われることになる.(2)銀行は流動性リスクに直面しているため,預金市場において預金者が健全な銀行と不健全な銀行とを明確に識別できない場合には,銀行取り付けや金融パニックが起き,金融システムが不安定化する可能性がある.(3)昭和2年の銀行恐慌を計量的に分析し,取り付けの原因がモラルハザードにあることを明らかにした.
2.「銀行の自己資本・貸付とマクロ経済変動」においては,企業の自己資本や債務額が投資・生産と強く関連し,実物経済を不安定化する可能性があることを示した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 薮下史郎: "経済変動,金融システムの不安定性とデフレ効果" 金融構造研究. 第17号. 21-29 (1995)

  • [文献書誌] 薮下史郎: "平成の金融不安と昭和金融恐慌" リージョナルバンキング. 第45巻第6号. 2-8 (1995)

  • [文献書誌] 薮下史郎: "銀行の自己資本・貸付とマクロ経済変動" 早稲田政治経済学雑誌. 第325号. 177-219 (1996)

  • [文献書誌] 薮下史郎: "銀行行動,貸し渋り,および資産市場" 地域金融問題研究. 第3号. 115-139 (1996)

  • [文献書誌] 薮下史郎: "金融システムと情報の理論" 東京大学出版会, 280 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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