研究課題/領域番号 |
07630098
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
岸本 裕一 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (70148576)
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研究分担者 |
石原 武政 大阪市立大学, 商学部, 教授 (20047301)
鈴木 幾多郎 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (60105575)
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キーワード | 米 / 牛肉 / 食品流通 / 流通システム / 狂牛病 / O-157 / HACCP(ハサップ) / MA(ミニマムアクセス) |
研究概要 |
1996年度において、経済のグローバリゼーションの進展との関わりの中で、食品流通政策の問題として注目を集めかつ緊要の政策課題の対象となった品目は、牛肉と米であった。この2つに品目について、その緊要の政策課題を整理しそれへの政策対応のモデルづくりをおこなった。 まず、牛肉については、イギリスを中心に肉用牛のみならず乳用牛にまで感染しさらに人体への影響の可能性まで取りざたされた狂牛病問題と、岡山県邑久町と大阪府堺市において被害者が多数でた病原性大腸菌O-157問題とが課題であった。狂牛病・O-157ともにそのような汚染されている可能性のある食肉をどのように流通システムから排除し、また、そのための検査システムを整備していくのか大切な問題である。この点で明らかになったのは、わが国における食肉流通段階の危機管理システムが未整備であることであった。このような状況は、欧米あるいは食肉の輸出国として重要なオーストラリア・ニュージーランドの状況に比べ全く見劣りのするものである。アメリカでは航空宇宙局と農務省などが共同開発したHACCPシステムが定着しているし、オーストラリアではHACCPを基本にしたISO9002対応のQAシステムができあがっている。わが国においても、1996年5月から「総合衛生管理製造過程」が施行されている。しかしながら、末端での問題点はより深刻で、学校給食の現場では未だに冷蔵庫の施設も完璧でないことが判明し、一般の食品流通システムが多頻度少量流通対応になっているのに、この部分だけが20年対応が遅れている。早急な制度整備が必要である。 また、米については、米の流通業者としての参入が1996年6月から自由となり、また、MA枠の段階的拡大により国内が豊作であっても米の輸入量は増大する一方であり、そのような新時代の流通システム確立に向け一層の研究蓄積が望まれる。
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