研究概要 |
平成7年度研究成果 1.各種公益サービス事業の価格制度の理論的整理:事業形態およびサービスの質,公共財と私的財の性格,そして事業展開エリア(国,文化)等の違いにより価格制度が異なる。また事業の目的関数(利益最大か収支均等か)によっても違いがある。 2.価格破壊と公共料金:日本の高速道路の場合は基本的には公設公営であり,償還制度の元で価格(料金)が設定されるが,国際的にはバラエティがある。経営形態の議論は本質的であるので,次年度にさらに検討する。ただ,償還に用地費や建設費や資本費を含めると,償環後に矛盾が露呈する。これらを償環からはずしたとき料金水準はいくらになるか,またいくらにすればよいのかについて慎重な検討が必要である。 3.新しい理念下での価格づけ:料金改定がままならない現在,かといって価格が低いと潜在需要が顕在下し「高速道路」はなくなる。では高速サービスを維持してゆくための水準を求めるために混雑料金や環境税の概念も導入する必要がある。そして,その理念が公共的であれば公的助成が正当化される。しかし高速サービスはあくまでも私的財であるので受益者負担原則が適用される。 4.こういった枠組みで実現可能な料金体系と料金水準を次年度に解明してゆきたい。
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