1.本年は第一年度として、(1)日本、英国、オーストラリア、アメリカ、カナダのデータ収集、(2)各種研究文献の分析、(3)各種公表統計の分析を進めた。その結果、英文論文一編、英文学会報告一編、和文論文一編がまとめられた。 2.本年度の研究の概要は以下の通りである。 (1)日本企業の経営者選任の仕組みを、ホワイトカラーの労働市場、雇用慣行の特性との関連で分析し、ビジネスマンのインセンティブの仕組みの一環として、位置づけた。 (2)日本企業の経営者の役割を、経営者選任特に内部昇進の仕組みの違いと関連させて分析し、三つの異なるパターンを提示した。(1)長征(2)異質経営(3)超長期昇進競争である。 (3)日本とアメリカのエレクトロニクス産業の経営者の役割を、経営者選任に仕組みの違いを軸に分析した。大きく総合エレクトロニクスメーカーとシリコンバレーモデルとして類型化し、それぞれの違いと競争特性を論じた。
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