本年は、第二年度として、(1)日本・英国・オーストラリア・アメリカ・カナダのデータ分析、(2)各種研究文献の分析、(3)各種公表統計の分析を進めた。その結果の一部を、これまでの研究成果とあわせて、『現代日本企業の経営者』(文眞堂)として公刊することができた。なお、本書は同時に北海道大学審査学位論文(経営学)である。 本年度の研究の概要は、以下の通りである。 (1)現代日本の大企業の専門経営者について、大卒ホワイトカラーの人事制度・雇用慣行・労働市場の検討から、競争原理にもとづく長期内部昇進競争であることを、定式化した。 (2)日本企業のコ-ポレートガバナンスについて、安定株主グループの代表としてのメインバンクの機能、企業グループによる株式待合いと安定株主の機能の違いなどの分析を通じて、専門経営者へのチェック機能を検討した。 (3)経営者の役割としての全社経営戦略について、議論を提起し、経営者選任との関連について分析し、いくつかのケーススタディを分析した。 (詳しくは著書を参照されたい)
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