日本の多国籍企業(大規模な製造企業149社、大規模な非製造企業107社、中堅中小規模の製造企業52社、中堅中小規模の非製造企業79社、合計387社)に中国投資にかんするアンケート質問票を発送し、219社から有効回答をえた(有効回答率57%)。回答データの集計表の作成を終え、現在はデータの分析中である。 アンケート調査からつぎのようなことが明らかになっている(製造企業の場合)。 1.中国に投資している企業が多い(全体の4分の3)。 2.1社あたりの中国製造現地法人は4.0社で、全海外製造現地法人の14%。 3.今後の海外生産の対象国としてはアセアンに次いで2番目に高く評価。 4.中国での現地生産の評価は、「問題はあるが予想の範囲内」の回答が一番多い(全体の4分の3)。 5.中国の投資魅力度は、中期(3年)的ならびに長期(10年)的のいずれにおいても、現在より良くなるとの回答が一番多い。 非製造企業の回答からは、つぎのようなことが明らかになっている。 1.中国に投資している企業がけっこう多い(全体の3分の2)。 2.1社あたりの中国現地法人は10.9社で、全体の19%を占める。 3.投資対象国としての魅力、中国での経営の評価、中国の将来の投資魅力度につては、製造企業の場合とほぼ同様になっている。 中国投資をテーマに松下電器産業、味の素、山九、アイリスの4社にインタビュー調査を実施した。当初の研究スケジュールよりおくれているが、あと半年ほどの間に、この2年間に実施したアンケート調査とインタビュー調査にもとづいて、研究成果をとりまとめることにしたい。
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