研究課題/領域番号 |
07630110
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
幸田 浩文 東洋大学, 経営学部, 助教授 (60178217)
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研究分担者 |
鎌谷 親善 東洋大学, 経営学部, 教授 (60057982)
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キーワード | コ-ポレイト・ガバナンス / 企業統治 / 経営者教育 / グレーシャー金属会社 / グレーシャー経営協会 / ウィルフレッド・ブラウン / 経営行動 / 経営理念 |
研究概要 |
平成7年度の研究では、とくにイギリスの軽工業の代表的な軸受メーカーであったグレーシャー金属株式会社(Glacier Metal Co. Ltd)を取り上げ、同社の経営ウィルフレッド・ブラウン卿(Sir Wilfred Brown)の経営行動を通して、企業統治(corporate governance)の実態と専門経営者の養成過程を考察した。企業統治の側面からは、利害関係の調整機能の効率性や権力の牽制機能の公正性を追究する過程において、一経営者への過度の権力集中が行われていた実態を明らかにした。また、専門経営者の養成過程という側面からは、1.ブラウンは自社の経営政策との自身の経営理念を具体化するために、自社の経営者学校、有限会社グレーシャー経営協会(Glacier Institute of Management;GIM)を設置したこと、2.その機関を通じて全経営者はもとより全従業員に、(これまで申請者が研究してきたグレーシャー計画なる同社のリストラ計画から生まれた)組織に関する広範囲の概念や手続きを理解させようとしたこと、そして3.経営者を養成するには、社会学・心理学・歴史学・経済学・法学・自然化学・教学から得られた諸知識である基礎知識と、統計や実験などの基礎技法、そして財務的・経済的な資料を理解するための会計知識を中心とした訓練が必要であることが分かった。 ただし、同社の経営者教育と当時イギリスの経営者教育、さらにはわが国のそれとの類似点・相違点は整理できなかった。そこで次年度は、日英の専門経営者の養成過程の現状と課題、さらに経営者教育と企業倫理・社会的責任の関係を考察することにする。
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