1.負債概念及び負債の測定問題について、文献の渉猟を行い、文献目録を作成した。 2.理論的文献の検討とAccounting Trends & Techniques等の実務的文献による実務のサーベイ。 3.負債概念や負債の測定についての意見交換や研究会での報告。 (1)これまでの研究成果の口頭発表。日本会計研究学会のスタディ・グループ(代表者:津守常弘教授)の一員として、5回の研究会に出席し、研究報告(報告論題:「伝統的負債から新しい負債へ」)も行った。 (2)関東・関西における負債及びその他の基礎概念について研究している人と意見交換を行った。 上記の1及び2により、理論上の負債概念の変化と会計実務上の負債概念の変化との関係を析出するための準備が整い、現在、分析を行っている。 一方、申請者のこれまでの研究を客観視するために、3-(1)及び3-(2)は非常に役に立った。申請者がこれまで研究をしてきた米国における負債概念の歴史的変化や論争が必ずしも日本には当てはまらないことを学ぶことができた。また、実務上も米国と日本では負債会計に相違があり、とりわけ、引当金の処理については単に方法が相違しているだけでなく、利益計算に対する影響についても大きな違いがあることが明らかとなった。
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