研究概要 |
本年度は,科学研究費による研究の初年度でもあるため,研究の方向づけを見極めうる研究を行なった。すなわち,経営パラダイムの変化によって管理会計がいかに変化したかを研究した。これは予定どおり,幾つかの研究誌に発表したり,学会で発表したりした。『会計』(1996年4月)誌の「管理会計の現状と課題」は学会発表の成果である。 構造的不況を脱出するための手法としては,ABC/ABMに焦点をあてて研究を進めた。その成果は,『企業会計』に発表した。また、情報技術の発展によってクライアント/サーバ・システムが大幅な進歩を遂げているが,構造的不況下におけるクライアント/サーバー・システムの有効性を研究した。論文との関係では,「オープン下時代におけるシステム投資のあり方」として発表した。 アメリカでの研究の成果としては,当然ながら過年度の研究成果の引き継ぎでもあるが,著書Integrated Cost Management(Productivity Press)を1996年1月に出版した。そこでも構造的不況下におけるコスト・マネジメントのあり方を考察した。アメリカで論文も発表し,このなかで日本企業がこの不況下でいかに乗り切っているかを考察した。その論文は,Past and Future of Japanese Management Accounting, Jounal of Cost Management, 1995.である。 最後に次年度に備えて,いくつかの主要企業を訪問した。また、次年度以降に必要となる日米の主要文献をできる限り多く収集した。さらに、次年度の実態調査の基礎資料の収集も行なった。
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