構造的不況下における管理会計のあり方についての研究

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07630129
• 研究機関: 専修大学
• 研究代表者: 櫻井 通晴 専修大学, 経営学部, 教授 (30083596)
• キーワード: 間接費の効率化 / ABC / ABM / キャッシュフロー / コストマネジメント / 財務組織 / 管理会計 / 銀行業のABC

研究概要

本年度、研究は最終年度にあたる。そこで、研究の主体は(1)実態調査の研究と、(3)過去3年間の研究成果の報告に焦点をおいた。
実態調査については、昨年の後半から準備を進め、本年度に完成した。上場企業を対象にした不況下における管理会計制度の変化を調査した。その結果、組織や文化に関係した管理会計制度には大きな変化がみられたが、技術は相当大きな変化がみられることを発見できた。これらは日本文と英文の両方で発表した。
本年度の研究成果は比較的研究テーマが絞られている。科学研究費の恩恵を受けて発表した研究の成果は概ね次のとおりである。
(1)間接費の効率化に関して アメリカで著書Japanese Cost Managementを発表するとともに、日本ではJRの機関誌で間接費の効率化を考案した。
(2)キャッシュフローに関して 不況下では会計上の利益だけではなくキャッシュフローが重視される。ダイヤモンド社の『ハーバードビジネス』においてこれを発表した。
(3)財務組織に関して 日本の財務組織をアメリカのそれと比較した研究を行った。この研究成果は税務経理協会から発表した著書(編者、最初の2章を担当)がそれである。
(4)コストマネジメントに関して 不況下の管理会計をコストマネジメントとの関係で考察した。『企業会計』の論文と銀行業における管理社会を論じた『バンキング』の論文がこれにあたる。

研究成果

• [文献書誌] Michiharu Sakurai: "Comparative Study of Financial Organization in the US and Japan" Controlling,Verlage (Frankfult,Germany). May/Juni. 148-155 (1997)
• [文献書誌] 櫻井通晴: "間接部門のスリム化の方策とその評価" JR GAZETTE. No.125. 54-58 (1997)
• [文献書誌] 櫻井道雄: "コストマネジメント導入と適用事例" バンキング. Vol.28 No.3. 84-91 (1998)
• [文献書誌] 櫻井通晴: "コストマネジメントからICMへ" 企業会計. Vol.50 No.2. 49-54 (1998)
• [文献書誌] 櫻井通晴: "構造的不況下における管理会計制度" 専修経営学論集. No.65. 97-134 (1998)
• [文献書誌] 櫻井通晴: "How Japanese Management Accounting Systems have changed under Structural Depression" Business Journal at Senshu. No.66. 131-174 (1998)
• [文献書誌] 櫻井通晴: "パソコンソフトウェアの会計と管理(著者代表)" 中央経済社, 15 (1997)
• [文献書誌] 櫻井通晴: "管理会計" 同文舘, 403 (1998)