研究概要 |
当該研究において,有限群Gの自己同型σに関する次の結果を得た. σの位数が素数でGの位数と互いに素であるとする.この時,3条件 1. G=HX である.但し,H={x∈G|x^σ=x}, X={g^<-1>g^σ|g∈G}とする. 2. Gの位数の任意の素因数pに対して,σ不変なGのSylow p-subgroupは唯一つである. 3. Gは可解である. について次が成り立つ. ●(2)と(3)が成り立てば(1)が成り立つ. ●(1)と(3)が成り立っても(2)が成り立つとは限らない. ●(1)が成り立っても(3)が成り立つとは限らない.このようなGは次のように構成される.素数pと非可解有限群Kを任意に選び,Tを位数qの巡回群とする.ただし,qはq≡1(mod p)を満たす素数である.この時G=K×Tとおき,Tに固定点なしに作用する位数pの自己同型をKに自明に作用するように拡張したGの自己同型をσとすればσは(1)を満たすがGは可解でない. なお(1)と(2)が成り立てば(3)が成り立つことが研究代表者により証明されている.
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