研究課題/領域番号 |
07640167
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柴田 良弘 筑波大学, 数学系, 助教授 (50114088)
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研究分担者 |
小林 孝行 筑波大学, 数学系, 助手 (50272133)
山崎 満 筑波大学, 数学系, 助教授 (30240732)
若林 誠一郎 筑波大学, 数学系, 教授 (10015894)
村松 寿延 筑波大学, 数学系, 教授 (60027365)
梶谷 邦彦 筑波大学, 数学系, 教授 (00026262)
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キーワード | 弾性体 / 怙性流体 / 漸近挙動 / 時間的大域解の存在 / Wake region |
研究概要 |
1)弾性体の運動を記述する数学的理論はいわゆる非線形熱粘弾性方程式(nonlinear thermoviscoelastic equations)といわれる微分方程式の初期値境界値混合問題で与えられる。本年度は初期値が十分小かつ滑らかな場合に時間大域的に滑らかな解が存在することを示した。 2)粘性流体中を物体が運動する様子は数学的にはナヴィアーストークス(Navier-Stokes)方程式の外部問題として定式化される。本年度は無限遠でのスピードがゼロでない場合の3次元流の強解の存在をL_3の枠組みで示した。さらに、その解の漸近挙動を示した。いわゆる、Wake regionの数学的解析を精密に行った。これは、流体の運動を数値解析的に解明しジェット機やロケットなどの合理的な設計においても将来有効な理論を与えていると信じる。こうして、この研究はさらに物理や工学の流体の専門家や数値解析の専門家とともにより大きな組織として続ける必要がおおいにある。 さらに、この研究の一つの帰結として、1950年代にR.Finnによって提出されたstarting problem(粘性流体中の物体を徐々に加速していき有限時間後加速することを止めたならば、漸近的に一定の速度の運動に物体はなるか、又そのときの物体と回りの流体の漸近挙動を求めよ)を完全に解くことができた。 この方面の研究は2次元流においては全くなされていないので、つぎの課題としては、3次元流での方法をヒントに2次元の場合にさらに発展することが考えられる。しかし、技術的に簡単に3次元のやりかたが2次元に拡張出来ない。これも今後の課題である。 3)1次元の熱弾性体の数学的理論に現れる、いわゆる、1次元熱弾性体方程式の初期値境界値問題の解の存在とその漸近挙動を外力が時間に依存しない場合に示した。今後の課題は、外力が時間に依存する場合、特に外力が周期的な場合に解の存在をしめすことである。
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