研究課題/領域番号 |
07640178
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野口 潤次郎 東京工業大学, 理学部, 教授 (20033920)
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研究分担者 |
志賀 啓成 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10154189)
辻 元 東京工業大学, 理学部, 助教授 (30172000)
丹野 修吉 東京工業大学, 理学部, 教授 (10004293)
藤田 隆夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (40092324)
岡 睦雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (40011697)
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キーワード | 複素解析 / 正則写像 / 双曲的多様体 / ディオファントス幾何 / 有理点 / モジュライ空間 / タイヒミューラー理論 / 代数多様体 |
研究概要 |
現在の数学の諸分野において複素構造を持つ対象が重要な役を果たしていることが少なくない。古典的には代数曲線のモジュライを記述するタイヒミューラー空間が有名であるが、更に高次元の複素多様体や、特にその間の正則写像や有理型写像のモジュライの解析的、幾何学的構造をしらべることは重要な興味ある研究課題である。分担者である志賀は、タイヒミューラー空間の射影構造について新しい知見を得、今後の研究の成果が期待できる。 当該研究代表者、野口の研究課題は主に有理型写像の値分布理論(Nevenlinna Theory)、(小林による)双曲的擬距離を用いて正則写像のモジュライ空間の構造の研究、そしてこれを数論とのアナロジイからデイオファンタス幾何の問題に応用することである。野口のS.Lang予想の解決により関数体上では双曲的複素空間はその有理点に関して有限性の性質を持つことが証明された。これを、踏まえ次の研究課題として、代数体上定義された双曲的多様体をいかに構成するかが次の問題となる。最近野口は増田(東工大・理)とともにその様な多様体を構成するアルゴリズムを発見し、コンピューターを持ちいて今まで知られていなっかた双曲的多様体を構成することに成功した。そして、この双曲的射影超曲面が、関数体上では有理点の有限性の性質を持つことを、Nevanlinna理論を構成適用することにより証明した。 一方岡は、射影平面曲線の補集合の位相構造について詳しく調べ、トーリックコンパクト化を用いる手法を更に発展させた。 藤田は、ザリスキ分解の近似定理、偏極多様体について、これまでの成果を纏め、今後の問題点を明らかにした。 丹野は、リーマン多様体上の変分問題に関し、調和写像・調和形式について新しい成果を得た。 辻は、藤田予想に関連して新しいアイデアのもと、ほぼ最良の評価式を得る方法を提示した。これは、種々の関連する成果を伴い、今後の進展が期待される。 最後に、代表者が、全体の纏めを行い今後の研究の方向性について具体的指針を出した。
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