研究概要 |
研究実績および今後の研究の展開に関する計画は、次の通りである。 1.重みexp(-x^m),m=2,4,6,…に関するn次の直交多項式(Freud多項式)の零点をx_<1n>,x_<2n>,…,x_<nn>とする。関数f(x)の次数(l,v)のエルミート・フェイエール補間多項式をL_n(l,v,f,x)とする。即ち、L_n(l,v,f,x_<kn>)=f(x_<kn>),…,L^<(l)>_n(l,v,f,x_<kn>)=f^<(l)>(x_<kn>),…,L^<(l+1)>_n(l,v,f,x_<kn>)=0,…,L^<(v-1)>_n(l,v,f,x_<kn>)=0,k=1,2,…,nなる高々vn-1次の多項式。この補間多項式の高階導関数L^<(j)>_n(l,v,f,x)が元の関数の高階導関数f^<(j)>(x)に有界閉区間上一様に収束することを示した。今後は、より一般な重み|x|^rexp(-|x|^a),r>-1,a>1に対しこの結果を拡張する計画である。また、フーリエ級数における端数積分に関するハ-ディー・リトルウッドの定理がラゲ-ル級数に対して同じ形で成り立つことが得られた。 2.リーマン空間の領域における拡散方程式の境界値問題の解の構成を動機として、C^<r,a>級(r∈N,0<a【less than or equal】1)のmanifold pairのsmoothingの問題を解決した。即ち、元のC^<r,a>構造に適合したC^∞構造が常に(自然な意味で)一意に存在することを示した。これは通常の場合(即ちa=0)の完全な一般化になっている。 3.一複素変数の正則関数におけるケ-ベの定理はそのままでは多複素変数の場合に拡張できないが、像領域が星型の場合には拡張されることが知られている。この星型という条件を強めた「強星型」の場合、強星型を特徴付ける関数σ(ζ,z)に対しc=sup{|σ(ζ,z)|;(ζ,z)∈∂B×B^n}で与えられる定数cを使いケ-ベの定理を改良することが出来た。領域のバーグマン計量を具体的に計算するため、定義領域を拡張すること及び「強星型」の幾何学的意味を明らかにすることは今後の課題である。
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