研究課題
反可換な数系であるGrassmann代数を実数体と同様に扱うスーパー数学はBose場とFermi場との対称性である超対称性を表現するのに適したものである。今までに研究を進めてきた、線形超代数学、線形リー超代数学、線形リ-超群論、超場に対する微分積分学、スーパー超関数論、ヒルベルト超空間論等を用いて、超対称性をもった場の量子論の公理系を定式化した。公理系は以下の様なものである。(1)状態の空間は(不定計量の)ヒルベルト超空間である。(2)超場はヒルベルト超空間の作用素値スーパー超関数である。(3)ポアンカレ-群を含む超群のヒルベルト超空間上のユニタリー表現が存在して、これに関して超場は共変性をもつ。(4)ハミルトニアンは正作用素である。(5)超場は局所的である。これらの公理系から導かれる性質、特に超場の真空期待値の満たすべき性質を調べ、超場の真空期待値に対する公理系で上の(1)-(5)と同等なものを見つけ出すことができた。
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