研究分担者 |
宇野 裕之 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (60244670)
寺岡 義伸 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (20047616)
佐藤 優子 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (50081419)
木坂 正史 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (70244671)
新開 謙三 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (50079034)
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研究概要 |
擬微分作用素の理論は本来,線形偏微分方程式に適用できるように開発されたものであるが,非線形偏微分方程式に対しても応用ができる.本年度はその準備として,非線形シュレディンガー方程式の解のGevrey regularizing effectへの応用を考えた.これにより,Hayashi-Kato[to appear]で得られていた非線形項として未知関数の多項式の形をした非線形シュレディンガー方程式のGevrey regularizing effectを,未知関数に関する一般の関数を非線形項としてもつ非線形シュレディンガー方程式のGevrey regularizing effectの理論にまで拡張した.以上は非線形項が未知関数のみに関係するものであるが,本年度は非線形項が未知関数の導関数にも関係する場合について,その1次元非線形シュレディンガー型方程式がGevrey regularizing effectの性質をもつことを示した.もちろん,これらの研究にGevrey classに表象をもつ擬微分作用素が必要となるだろうが,今は初期的な段階なので,本質的にはGevrey classに表象をもつ擬微分作用を使ってはいない.しかし,上記に述べた議論を発展させるためには,Gevrey classに表象をもつ擬微分作用素の理論をさらに発展させる必要があるとともに,擬微分作用素が非線形項にいかに作用するかを研究することが必要である.これらのことが,次年度以降に残された課題である.次に偏微分方程式の解の特異性の伝播であるが,これに関しては物理学の研究者等との交流をはかり,現在応用面も含め,研究すべき偏微分方程式の模索中である. 以上の研究をするにあたって,他の分担者の協力を,それぞれの分野(力学系,応用数学)からの観点から得た.
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