反多項式写像族fc(z)=z^^-^d+cの奇数周期のhyperbolic componentsの閉包までこめてJulia集合がハウスドルフ距離に関して連続に依存すること、従って吸引的周期点の直接鉢が放物的周期点の直接鉢に収束することを示した。さらに、parabolic arcsはそれ自身とは交わらないこと、異なるparabolic arcsの閉包はカスプ点でのみ交わること、parabolic arc上Ecalle height 0の点は、角度0の内射線の到達点であること、逆に角度0の内射線はEcalle height0の点に到達することも示した。これらを用いて、奇数周期のhyperbolic component上のcritical value mapが単位円板の上へのd+1次の分岐被覆であることを証明した。この延長として、その境界がd+1個のカスプ点とd+1本のparabolic arcsからなることを初等的かつ直観的に証明することが課題として残る。 多項式族Pc(z)=z^d+cの不動点及び2周期点でのGrotzsch defectを計算し、その連続性を示した。同様の議論により、fcの場合も、周期1のhyperbolic componentの内部及び境界での不動点及び2周期点でのGrotzsch defectを計算しようとし、parabolic arc上を除いて計算できた。カスプ点での連続性も示された。parabolic arc上では、holomorphic indexが関連してくるはずであるが、計算ができていない。parabolic arcsに沿った分岐(反正則分岐)との関係も興味深い。holomorphic indexのparabolic arc上の単調性の解明も今後の課題である。
|