研究概要 |
次の2点を目的として研究した。 1.具体的な偏微分方程式でのanti-periodic problemについて、その解の滑らかさを調べること 2.劣微分作用素で表わされる非線形放物型方程式の解の初期時刻での挙動を、無条件連続性という範ちゅうで調べること これらについて次の研究実績を得た. 1について anti-periodic problemは、従来多くの研究者によって研究されてきたperiodic problemに比べて、tについてのSupnormの評価を得易いという特徴がある.この特徴を用いて、1996年に共同研究の論文を発表したが、更に今後多くの方程式についてのanti-periodic problemを研究するための下準備を行った. 2について 実ヒルベルト空間内で定義された劣微分作用素∂qで表わされる非線形放物型方程式 ▲du/dt+∂q(u(t))→O,t>O▼ の解uのt=Oの近傍での挙動を、無条件連続性という範ちゅうでとらえられるための十分条件として、ポテンシャル中のクラスを求めた.結果は、日本数学会秋期総合分科会などで口頭発表し、現在論文として執筆中である.また上で得られた条件を弱めると解が無条件連続でなくなる例を構成した。この結果も、別の論文として執筆する予定でいる.
|