研究課題/領域番号 |
07640303
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白旗 慎吾 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10037294)
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研究分担者 |
安芸 重雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90132696)
谷口 正信 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00116625)
磯貝 恭史 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00109860)
後藤 昌司 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00273615)
稲垣 宣生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10000184)
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キーワード | ノンパラメトリック / 回帰分析 / セミパラメトリック / スプライン / 不偏性 / シミュレーション |
研究概要 |
ノンパラメトリック回帰分析では目的変数の説明変数への関連の仕方に対する仮定が緩い。その中で、本研究では説明変数の一部xには線形模型、残りのtに対しては関連の仕方が未知と仮定したセミパラメトリック回帰分析、すなわちy=βx+g(t)なるモデルを扱った。ノンパラメトリック回帰分析では偏差平方和と連続性に対する罰則を加えた値を最小にすることによって推定量が導かれ、スプライン関数を用いて構成される。また偏差平方和と罰則のバランスをとる平滑化パラメータがある。標準的推定量は部分平滑化法であるが、回帰パラメータの推定量に偏りが発生し、それを小さくするために、tに従属する部分を除いて考える偏回帰推定量や連続性への罰則をxのtに関連する部分にも付ける2段階平滑化推定量が提案されてきた。本研究では、これらの3方式で漸近的には正規性・不偏性が成立し、その偏りのオーダーもすべて一致することを示した。さらに、偏りをより詳細に検討し、偏回帰推定量の偏りは実際に部分平滑化推定量より小さくなることが期待できることを示した。また2段階平滑化推定量には2つの平滑化パラメータが必要であるが、うまく選択できれば部分平滑化推定量より偏りを小さくできることを示した。さらに、うまく選択できれば部分平滑化推定量より偏りを小さくできることを示した。さらにこれらの理論的・漸近的結果を確認するためのコンピュータ・シミュレーションを行った。部分平滑化推定量では想定するg(t)によって偏りは大きく変化する。一方、偏回帰推定量でもそれと同じ傾向がある強くない。2段階平滑化推定では確かに平滑化パラメータをうまく選べば偏りを小さくできるが、実際にそれらを求めるのは難しいことが分かった。さらに最適な平滑化パラメータを求めるアルゴリズムとして交差確認法が一般に推奨されるが、偏りに対してはは必ずしも良い結果を与えるとは限らないことが示された。これらの結果はとりまとめて現在学術雑誌に投稿中である。
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