研究課題/領域番号 |
07640348
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松元 亮治 千葉大学, 理学部, 助教授 (00209660)
|
研究分担者 |
山下 和之 千葉大学, 総合情報処理センター, 講師 (50270864)
宮路 茂樹 千葉大学, 理学部, 助教授 (10157646)
|
キーワード | 降着円盤 / 差動回転 / 電磁流体力学 / 磁気不安定法 / 角運動量輸送 / ダイナモ / ジェット / 数値実験 |
研究概要 |
1.差動回転円盤における磁気回転・磁気浮力不安定性の非線形時間発展を鉛直重力の効果を含めた局所3次元電磁流体数値実験によって調べ、次のような結果を得た。(a)一様回転のみを考慮した場合、回転がない場合と比較してパーカー不安定性の成長率が低下する。パーカー不安定性によって形成される磁気ループは回転によって捻られ、とくに磁気ループに沿って落下してくるガスが集積される領域に強い捻れが蓄積される。(b)動径方向の速度シアを考慮してもパーカー不安定性の成長率は低下する。初期に動径方向の磁場成分がある場合、速度シアによる方位角磁場成分の増幅とパーカー不安定性による磁束流出の抑制のため円盤は磁気圧優勢な状態に進化する。(c)回転と速度シアをともに考慮した場合、磁気回転不安定性が成長し、磁気揺ぎが指数関数的に成長したのち飽和する。不安定性飽和時の角運動量輸送パラメータα_βの値は0.01程度になる。以上の結果は1995年10月に開催された"Basic Physics of Accretion Disks"国際会議で発表され、投稿準備中である。 2.大局磁場に貫かれた降着円盤における角運動量輸送と双極ジェット形成の軸対称シミュレーション結果を出版した(Matsumoto et al.1996)。さらに、これと同じ初期条件で非軸対称摂動を与えた場合の大局的数値実験を3次元円筒座標系コードを用いて行い、磁気制動によって円盤表面付近が渦状のチャネルに沿って落下していくこと、円盤内縁付近はトロイダル磁場優勢になること、パーカー不安定性によると考えられる磁気ループ構造があらわれることなどを示した(投稿準備中)。 3次元の円筒座標系の電磁流体プログラムをベクトル並列型計算機用に並列化し、16CPU使用時で単独CPUの場合の12.5倍の高速化に成功した。また、Roe法にもとづく2次元MHDコードを作成した。
|