研究課題
一般研究(C)
本年度(平成7年度)は、ハワイ大学の2.2m望遠鏡を用いて、アンドロメダ銀河内の星形成領域を内包する数フィールドを、分解能が0.2秒角にも達する高解像度で、波長1.25μm(Jバンド)1.65μm(Hバンド)、2.20μm(Kバンド)において、限界等級の深い撮像観測を行った。この観測は、大気揺らぎによる像悪化をリアルタイムで補正する望遠鏡の副鏡補償光学技術を生かしたものである。これによって、世界でも数少ない高解像度かつ深い限界等級の系外銀河の観測データを得ることが出来た。また。フォローアップ観測として、赤外線で観測した領域を含む広い視野を、カナダ・フランス・ハワイ3.8m望遠鏡において最新の可視光CCDカメラを用いて撮像観測した。その結果、従来の可視および赤外線観測では全く観測されていない赤外線源を多数(数百個のオーダー)検出することができた。これらの天体のほとんどは、可視光のCCD画像やパロマ-望遠鏡による写真上では同定がつかない。我々のデータから求めた各天体の、赤外線におけるカラー及び明るさから、これらの多くはアンドロメダ銀河中の晩期型の巨星であると考えられるが、いくつか、それとは異なった、しかし、その性質が未だ同定できない天体が存在することがわかりつつある。これらは、アンドロメダ銀河の星形成領域の分子雲に深く埋もれた若い星のクラスターである可能性がある。今後さらに解析を進めるとともに、その性質を絞り込み、正体を明らかにして行きたい。
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