研究課題/領域番号 |
07640368
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
湯田 春雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90108457)
|
研究分担者 |
長谷川 琢哉 東北大学, 理学部, 助手 (40261549)
長嶺 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30212111)
末包 文彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10196678)
鈴木 厚人 東北大学, 理学部, 教授 (00100818)
|
キーワード | 液体シンチレータ / 検出器 / ニュートリノ / シンチレータ吸収計数 |
研究概要 |
本研究は、大型液体シンチレータ検出器の基礎開発研究の一つとして、液体シンチレータの吸収係数を測定したものである。 東北大では液体シンチレータ・ニュートリノ検出器の建設を検討している。この検出器は中性子の検出が可能であるので、反ニュートリノ反応を検出できる長所をもっている。しかしながら、大型検出器を作るためには、多量の液体シンチレータを必要とし、市販の液体シンチレータを用いるとそのコストは莫大になる。そのため、安価な溶剤とその溶剤に適合する溶質(蛍光物質)を選択し、その混合液体の特性: 1)減衰長 2)時間特性(減衰時間) 3)相対シンチレーション効率(発光効率) を測定し、大型検出器に適した安価な液体シンチレータを調べるとを目的とする。そのため、まず、特性測定装置を製作し標準液体シンチレータとしてNE224を使い、その特性を測定した。 初年度に液体シンチレータ特性測定装置の製作及び測定系の整備を行った。平成8年度には、まず、NE224の減衰長の測定を行った。この測定には1%の計数率精度で測定する必要があり、光電子増倍管の動作安定性の確認を約3カ月間行ない、長時間測定すると1%精度で測定可能であることが判った。 これをもとに減衰長の測定を行ない、次の結果を得た。 μ=5.8±0.9m。 この液体の減衰長測定には、長時間の測定が必要であったために、次のステップとしての液体混合については、未だテスト段階である。液体シンチレータにミネラルオイルを混合すると白濁するか、完全に混合しない状態が生じ、更に、この混合法を確立する必要があると思われる。
|