研究課題/領域番号 |
07640383
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
BENTZ Wolfgang 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20168769)
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研究分担者 |
矢崎 紘一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60012382)
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キーワード | バリオン / クォーク / Faddeev方程式 / 構造関数 / 南部・Jona-Lasinio模型 / Bethe-Salpeter方程式 / 光円錐 |
研究概要 |
平成9年度に行った研究は大きく二つに分かれる. 1)従来の我々の計算を核子の構造関数へ適用するために、南部・Jona-Lasinio模型の光円錐上での量子化を定式化した。従属フェルミオン場を1/N展開の枠組みで消去することによって、光円錐上でのハミルトニアンを導き、その量子化を議論した。物理量に関して、その理論は通常の同時刻での量子化と等価であることを形式的に証明した。しかし、具体的な計算において、積分の正則化を行うことが必要であり、そのために等価性は完全に成り立たない。その点に関して、さらに理論的な考察が必要である。光円錐上でのハミルトニアンを使って、クォーク・反クォークの相対論的な二体方程式の解を求め、パイオンの構造関数をBjorken極限で計算した。その計算は、以前に行われた同時刻の量子化理論による計算よりも、簡単かつ物理的に透明である。その計算を核子の構造関数へ拡張することが、今後の研究の課題である。 2)核子一個の内部構造が相対理論的なFaddeev方程式で記述されているときに、核物質の状態方程式を平均場近似の範囲で計算するための理論的な枠組みを作り上げた。Self consistentな平均場は、スカラー及びベクター中間子によって作られ、その平均場の中のFaddeev方程式を解くことによって、核子の有効質量、核物質のフェルミエネルギーなどが計算できる。尚、真空偏極の効果(つまり、クォークのDirac海の偏極)の効果も取り入れる。状態方程式の数値計算は現在進行中である。今後の研究では、核物質の状態方程式の計算と上記の光円錐上での計算とを連立させることによって、核物質中の核子の構造関数を求めたい。
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