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本年度は、統一模型としての行列模型についての解析を行なった。超弦理論は重力まで含めた統一模型になっていることが知られているが、長い間、その非摂動的な性質を調べることができなかった。1996年の秋にKEKの川合氏たちは、行列模型を使うことでtypeIIB型の超弦理論を構成論的に記述することに成功した。これにより、我々の時空がなぜ4次元なのか、宇宙項がなぜ消えているのか、などの難問に対して原理的に答えることが可能になった。
私は、川合氏たちと共同で上のtype IIB型の行列模型の詳しい解析を行なった。この模型では行列の対角成分が時空の座標を表しているので、非対角成分を積分して対角成分に対する有効理論を求めることで、時空の性質を議論できるようになる。我々は、この有効理論の様々な性質を議論した。まだ理論自身が完全に解けていないため、はっきりしたことが言えないが、少なくともある場合には時空が4次元的な構造を持ち得ることを示した。
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