ゲージ・ユカワセクター統一理論の考察

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07640389
• 研究種目: 一般研究(C)
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 久保 治輔 金沢大学, 教養部, 助教授 (40211213)
• 研究分担者: 末松 大二郎 金沢大学, 理学部, 助教授 (90206384)
• キーワード: 統一理論 / 超対称性理論 / トンプクォーク質量

研究概要

今年度の研究において得られた主たる研究実績の概要は、以下の通りである。
久保は、ゲージ群SU(5)に基づく超対称ゲージ・ユカワ統一模型における陽子崩壊に関する現象論的考察を行い、模型の持つパラメータの許された領域を更に制限することに成功した。叉、ゲージ群がSO(10)に拡張された超対称ゲージ・ユカワ統一模型の解析も行い、この模型においてもゲージ・ユカワ統一の考えが実験と矛盾していないことを示した。その他、これまでに知られている超対称ゲージ・ユカワ統一模型を比較し、これらを実験的に選別できる可能性があるかについて調査した結果、質量の実験値の誤差が、トップクォークに関しては約2GeV、ボトムクォークに関しては約0.1GeV以下になれば選別可能になることを見いだした。現在、ゲージ・ユカワ統一と弱電磁理論のゲージ対称性の動力学的破れの両立性に関する調査を行っている。
末松は、超対称性の軟らかい破れの非普遍性の引き起こす様々な現象論的効果についての数値的解析を行った。特に、中性子の電気双極子能率の原因となるCPの不変性を破る位相との関係や、余分なU(1)対称性がある超対称理論における輻射補正によるゲージ対称性の破れへの効果についての考察を行った。
これらは、当初の研究目的であり、国内外ですでに口頭発表、学術論文で公表した。現在、研究目的の全面的達成のため努力している。

研究成果

• [文献書誌] Jisuke Kubo: "Nontrivial, Asymptotically Non-free Gauge Theories and Dynamicul Unification of Conplings" Physical Rev. ew D. 52. 6475-6480 (1995)
• [文献書誌] Jisuke Kubo: "Gauge-Yukawa Unification in Asymptotically Non-free Thevies" Physics Leflers B. 342. 155-162 (1995)
• [文献書誌] Jisuke Kubo: "Gauge-Yukawa Unification in SO(10)SUSYGUTS" Nuclear Physics B. (発表予定).
• [文献書誌] Tatsuo Kobayashi: "Neutron Electric Dipole Moment under Non-universal Sof susy Breaking fevms" Progress of Theovefical. Physics. 94. 417-434 (1995)
• [文献書誌] Daijiro Suematsu: "Ractiative Symmetry Breaking in a Supersymmetvic Model with an extra U(1)" International Journal of Modern Physics A. 10. 4521-4536 (1995)
• [文献書誌] Jisuke Kubo: "Finite Unification and Top Quark Mass" Proceedings on the 27th Int. Conf. on H,gh Energy physics. 2. 589-591 (1994)