今年度の研究において得られた主たる研究実績の概要は、以下の通りである。 久保は、これまでに考察されてきた全ての超対称ゲージ・ユカワ統一模型を比較し、これらを実験的に選別できる可能性があるかについて綿密な調査を行った。トップクォークに関しては、その質量の実験値の誤差が約2GeV、ボトムクォークに関しては約0.1GeV以下になれば選別可能になることが分かった。又、ゲージ・ユカワ統一理論の枠組みに、超対称性の軟らかい破れの項の統一も可能であることが明らかになり、ゲージ・ユカワ統一と弱電磁理論のゲージ対称性の動力学的破れの両立性が判明した。 末松は、有効超対称重力理論の枠内で、超対称性の軟らかい破れの項のフレーバー構造に関する考察を行った。又、ゲージ群E(6)に基づく超対称性理論での陽子崩壊と軽いニュートリノの存在の関係を調査した。 これらは、当初の研究目的であり、国内外ですでに口頭発表、学術論文で公表した。現在、研究目的の全面的達成のため努力している。
|