研究概要 |
過熱状態(superheated state)の準安定状態のみを利用する場合リアルタイムで蓄積エネルギーを測定出来ない欠点がある。過冷却(supercooled state)の準安定状態も同時に利用(フリップ・フロップ効果)することによって、原理的にリアルタイムでエネルギーの測定が可能である。第6回低温粒子検出器に関する国際ワークショップ(LTD6, 28 August〜1 September, Beatenberg, Interlaken, Swizerland)までは実験的検証がなされていなかった。 LTD6で我々は直径20μmの錫粒子で局部的加熱のためフリップ・フロップが観測できないと発表、ベルン大学は直径11μmの錫粒子で観測したと発表。直径が半分の為、試料の温度上昇が8倍で、局部的加熱に全体的加熱が加わって観測に成功したものと考えられる。まだプレリミナリーな実験結果であり、我々は全体的加熱の性質を示すアルミニュウムの粒子を用いてより完全なフリップ・フロップの検証を目指す。
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