「準安定超伝導粒子」を用いて「フリップ・フロップによる入射粒子のエネルギー決定」の研究を、平成7年度から行ってきた。 錫の直径が50-20μmの実験から得られた結論は 1.フリップの信号が外部磁場を変化させたとき、徐々に小さくなり、臨界磁場で決まるある値の外部磁場で消失することが判明した。この事実は中間状態の存在をしめし、局部加熱のモデルで磁化曲線を考察することによって説明できた。従って、局部加熱のモデルに従う錫のような物質はフリップ・フロップを調べるには適していない。フリップ・フロップ現象の検証には全体加熱に従うアルミニュウムが適している。 2.α線の照射する角度に関する解析から、錫と言えども完全な局所的加熱ではなく、試料のかなりの部分が加熱されていたと解釈できる。従って20μmより更に小さい試料では、より全体的な加熱が働きフリップ・フロップ現象が観察できると考えられる。 の2点である。 2つ目の結論はスイスのベルン大学のグループによって粒径11μmで検証された。
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