研究概要 |
1.実行作用の決定法(カノニカルデ-モン法)に関する研究を行い,それに基づいて繰り込み変換されたSU(3)ゲージ場にたいする有効作用を決定した.長距離で有効な作用の形をまず明らかにすることは完全作用を求める上で出発点となる。このため、格子間隔を粗くする変換後のゲージ場を支配している作用を探索した。これに課題に対して、従来のスベンドセンによる方法やミクロカノニカル法を試みたが多くの相互作用項を含む場合に困難があり、有効に働かないことが明らかになった。そこでさらに、最近提案されたカノニカルデ-モン法の有効性を検討することになりこれを試行した。まず、より簡単なスピン系とSU(2)ゲージ場系で適用し、その有効性を確認したのち、SU(3)ゲージ場系に適用した。繰り込み変換はスベンドセンによるものとハ-ゼンフラッツによる2種類のものについて行った後、有効作用をの決定を試みた。この方法はどりらの場合も有効であり、有効結合定数を7項までの範囲で決定できることが明らかになった。また、結果として得られた有効相互作用は,まだ若干の不定性はあるが準局所的な有効作用であった.これらの結果の初期の結果はNucl. Phys. B42(1995)805(M. Fujisaki etal.)やMod. Phys. Letters, to appear(1995)(T. Takaishi)に報告しているが引き続き詳しい結果をとめている。これにより今後の研究の処方の一部が確立できた。 2.大規模格子用ゲージ場生成の並列プログラム,ベクトル並列プログラム開発を行い,並列機,ベクトル並列機におけるシミュレーション技法の進展を得た.(中村等Computer Phys. Communication(1995)to appear,宮村等(Parallel Computing 21(1995)1015-1028)
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