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1996 年度 実績報告書

格子上の完全作用

研究課題

研究課題/領域番号 07640411
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

宮村 修  広島大学, 理学部, 教授 (80029511)

研究分担者 中村 純  山形大学, 教育学部, 教授 (30130876)
日置 慎治  広島大学, 理学部, 助手 (70238252)
キーワード格子QCD / 量子色力学 / 数値シミュレーション / クオーク・ハドロン
研究概要

1.前年度の開発研究により、一般的なループ型作用にたいする格子ゲージ場の効率の良い生成が可能になったので、SU(3)格子ゲージ場のスケール変換にたいする繰り込み効果の解析を、Blockingによる粗視化変換とSchwinger-Dyson法による有効結合定数分析を駆使して行った。これにより2結合定数空間の範囲で結合定数の繰り込み群的流れを求めた。この流れ解析の結果、流れが収束してゆく繰り込み軌跡を部分的(強結合から中間結合領域)に求めることに成功した。さらに、この繰り込み軌跡上の結合定数を持つ作用は最も連続極限に近い物理的結果を導く作用と考えられるので、これを実証するため、この作用と他に提案されている作用との比較検討をクオーク間力の回転対称性の回復という観点から研究した。この結果、岩崎等の改良作用との差は小さいものの、最善の回転対称性回復が見られることを明らかにした。これらの結果はLATTICE96国際会議において発表した。
2.関連する研究
・非可換ゲージ場の持つ異なった位相幾何的概念に立脚する配位であるインスタントンとU1モノポールの関係について格子数値シミュレーションによる研究を進め、これらが非摂動的な共通のゲージ場配位において出現することを明らかにした。これにより、従来困難と考えられてきたインスタントンによる閉じこめ機構の可能性が開けてきた。この結果については、米国立原子核理論研究所において講演を行った。
・格子ゲージ場シミュレーションにより、ストレンジクオークやチャームクオークからなる中間子、重粒子のスペクトルについて研究を行った。異なったクオークの組み合わせからなる束縛状態に焦点をあわせてウイルソンクオーク法のクエンチ近似で解析を行い、現状で確認されているストレンジクオークを含む粒子の質量と結合因子を5%以内のずれの範囲で再現することを明かにするとともに、幾つかの実験的に未確認の粒子の質量について予言を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Fujisaki他: "Strange and charmed hadron spectroscopy on a 32^3×48lattice at β=6.3" Nuclear Physics B. 460. 413-426 (1996)

  • [文献書誌] M.Fujisaki他: "Finite tempeature gauge theory on anisotropic lattice" Nuclear Physics B (Proc. Suppl.). 53. 426-428 (1997)

  • [文献書誌] H.Suganuma他: "Confinement and topological charge in the abelian gauge of QCD" Nuclear Physics B (Proc. Suppl.). 53. 528-530 (1997)

  • [文献書誌] M.Fujisaki他: "Search for effective lattice action of pure QCD" Nuclear Physics B (Proc. Suppl.). 53. 938-941 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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