クォーク質量行列を一般的な形で、KM行列のUnitarity三角形にやきなおし、実験的比較が可能であるようにした。この研究は、レプトンの質量行列に転用できると考えられる。さらに、くりこみ群によるGVTスケールからEWスケールまでのレプトン混合の変化を定量的に調べ、Flavor Mixingが大きくなる条件を解明した。現在、加速器や原子炉の実験データを整理し、将来、実験で、flavor Mixingがどのように決定されるかを、検討中である。とりわけ、日本の実験グループが参加しているCERNのCHORVSの実験結果がニュートリノの質量行列の形を決めるのに重要な役割を果たすことを明らかにしつつある。ひきつづき、この問題は検討される。これまでSee-Sawメカニズムの研究が中心であったが、一方、See-Sawメカニズムによらずに、ニュートリノ質量を導く、Zee-Modelを検討中である。特に、加速器、原子炉の実験と大気ニュートリノ、太陽ニュートリノの実験を統一的に理解できるモデルとして、Zee-Modelに焦点をあてている。この研究は、トリエステのSmirnov博士と共同のものであり、近いうち成果を公表する予定である。さらに大気ニュートリノ、太陽ニュートリノ問題の検討を続けている。
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