研究概要 |
宇宙線異常成分の強度変動 : 1992年後期から3年間にわたる銀河宇宙線成分と宇宙線異常成分との強度相関を調べた。1992年後期から93年初期にかけての宇宙線強度の回復期を除き、それらの強度変動は大変良い相関を示している。また、Corotating Interaction Region(CIR)によるイオンイベントの発生と共に宇宙線強度が減少する事が明らかになり、イオン強度と宇宙線強度の減少とは良い相関がある事が判った。これについての論文を近々投稿予定である。 宇宙線異常成分の化学組成 : 主要な宇宙線異常成分He,N,O,Neについては、1 AU軌道の飛翔体(IMP,ISEE等)によっても観測されているが、GEOTAILで異常成分のArの観測が出来た。これまでArは深宇宙を航行しているVoyager号のみで観測されている。更に、FIPがCよりも小さな硫黄Sの異常成分を、世界で初めて検出に成功した。これらのHe,C,N,O,Ne,S,Arの評価から、局所空間媒質の中性/電離度や元素存在比とFIP依存性が求められる。これらの元素の絶対値とその誤差について問題があり、公表を控えていたが最近解決した為に現在論文を執筆中である。
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