研究概要 |
(1)中重核の8重極多フォノン状態の解析を目的としたダイソン型ボソン写像法の計算機プログラムを完成させた.(約40,000行のソースプログラム).ただし,このプログラムは粒子-空孔標示であるので,粒子数保存は厳密に成り立っているが,適用範囲が狭いという欠点がある. (2)このプログラムを^<146,148>Gdの8重極多フォノン励起状態の解析に応用し,精密解析の結果,中性子対モードと8重極粒子-空孔モードのcouplingが,^<148>Gdにおける8重極遷移のenhancementに本質的寄与をすることが明らかになった.本成果は論文“Two-Octupole-Phonon States in ^<146,148>Gd by K. Takada and Y. R. Shimizu"として発表予定である. (3)プログラム開発の過程で“簡易型ハッシュ法"を考案し,これが巨大メモリーを必要とする大規模数値計算に極めて有用であることを発見した.この方法により従来大型計算機を用いても殆ど不可能であると思われた巨大数値計算を高速パソコンで可能とし,上記のダイソン型ボソン写像法のプログラムの基礎となった. (4)これらの手法を用いて,閉殻から遠く離れた領域の核に応用できるよう,ダイソン型ボソン写像法の準粒子表示での計算機プログラムの開発に着手した.
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