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1996 年度 実績報告書

ニュートリノ質量と大気ニュートリノ

研究課題

研究課題/領域番号 07640419
研究種目

基盤研究(C)

研究機関青森大学

研究代表者

緑川 章一  青森大学, 工学部, 助教授 (00265133)

キーワードニュートリノ / ニュートリノ振動 / ニュートリノ質量 / 大気ニュートリノ
研究概要

低エネルギー大気ニュートリノ(E_ν【less than or equal】10GeV)フラックスの理論計算は,ニュートリノの質量を探る上で極めて重要である。我々は,ニュートリノフラックスの精密計算をを行うとともに,他の2グループと協力しあってお互いの計算との比較検討を行なった。大気ニュートリノのフラックスの計算は,3グループによって独立になされた。それらは,我々(Honda,Kasahara,Hidaka,Midorikawa-HKHMと略記),Bartolのグループ(Barr,Gaisser,Stenev-BGSと略記),ロシアのグループ(Bugaev,Naumov-BNと略記)である。韓国のグループ(Lee,Koh)によってもフラックスの計算が行なわれているが,プログラムのバグを取り除くとBGSフラックスと本質的には同じであることが分かった
独立に行なわれた3つの計算を比較すると,0.4【less than or equal】_ν【less than or equal】1GeVの範囲で,フレーバーの比(ν_e+υ^^-_e)/(ν_μ+υ^^-_μ)に関しては5%の範囲内で良い一致をみていることが分かった。ところが,フラックスの絶対値を比較すると,1GeV付近でBGSフラックスはHKHMフラックスよりも10%程大きく,BNフラックスは30%程小さいことが分かった。フラックスの絶対値は,理論と観測の食い違いを解釈する上で重要な意味を持つ。
我々は,BNフラックスと他の2つの(HKHMおよびBGS)のフラックスとの違いの原因は,種に陽子と軽い原子核が衝突した場合に作られる荷電パイ中間子の数の相違にあることを明らかにした。ところが,関連する領域における陽子-原子核の実験結果は存在しないために,どちらの理論計算が最もらしいかの結論を得るまでには時間がかかるものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.K.Gaisser et al.: "Comparison of atmospheric neutrino calculations at low energies" PHYSICAL REVIEW D. 54・9. 5578-5584 (1996)

  • [文献書誌] M.Honda et al.: "Atmospheric Neutrinos" Progress of Theoretical Physics Supplement. 123. 483-490 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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