1.位置検出型中性子検出器の製作 位置検出型の中性子検出器のシンチレーション光検出部をライトガイドを介するものから3インチの光電子増倍管を直結する方式に変更した結果、シンチレーション光の集光効率を向上させることができた。この検出装置についてシンチレーション光の実効減衰長や、有効速度を測定した。コリメートしたγ線を用いて位置分解能を評価したところ約10cm(半値幅)となった。 2.中性子/γ線の識別 中性子/γ線の識別方法について、波形整形プリアンプを用いる方法、遅延ケーブル型プリアンプを用いる方法、電荷積分による方法、を比較検討した。前二者はほぼ同等の性能をもち、入射エネルギー約100keVee以上で識別が可能であることがわかったが、長時間使用の際の安定性から遅延ケーブル型プリアンプを採用することとし、ミシガン州立大の大型中性子検出器のために96chの波形整形モジュールを製作した。 3.cross talkの測定 コッククロフト加速器からの14.1MeVの中性子を用いて2本の位置検出型中性子検出器の間のcross talkの測定を行ない、モンテカルロシミュレーションの結果と比較した。cross talkの起きる確率は約1%で計算結果と一致したが、中性子の相対的な検出位置については計算結果よりもやや広い分布を示した。検出しきい値に対する依存性についても調べ、更に、検出器の配置を変えた場合の系統的な測定に対して解析を進めている。 以上の結果についてはミシガン州立大学のneuton wall検出器についての報告とともにNuclear Instrument and Methods誌に発表すべく準備中である。
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