研究概要 |
(1995年度の研究実績概要) Aハイパー核の生成と構造については,とくに(π^+,K^+)反応で知られるようになった重いカイパ-核の励起関数と一粒子状態エネルギーを成功的に説明した。また軽いハイパー核のエネルギーレベルとあわせて,中間子論的AN相互作用の性質と構造的発現の関係について集中的に研究を行い,スピン-スピン相互作用やスピン-軌道相互作用などの特徴的な性質については,実験的測定との比較が有用であることを指摘して,文献1と3に発表されている。相互作用の各要素にスピンテンソル分解を行って比較をすることも含めて,これはひきつづき重要な課題であり,ストレンジネス-2の系にも視野を広げて検討している。構造解析での進展の他の1つは,質量数6と7という軽いハイパー核に対して,3体模型を適用する計算において再配置座標をすべて考慮することにより,精度の良い結果を得たことであり,我々の15年前の3体計算の改良を成し遂げたことである(文献4)。一方,弱相互作用によるハイパー核の崩壊については,これまでの崩壊確率の計算結果をまとめて文献2で報告するとともに,問題が残されている非中間子型崩壊について新しく2π/σ交換モデルを導入した計算を実行した。これによる理論的改善について吟味し,これまでの未解明のメカニズムとの関係を議論した(文献5)。非中間子型崩壊確率の計算はストレンジネス-2の系を含めるべく拡張中である。
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