研究概要 |
1.Λハイパー核については,構造に反映されるLS力やσ_Λ・σ_N成分などΛN相互作用の特徴的性質を議論する上で,定量的に信頼に足る構造計算が必要とされる段階に至っている。この点で,まず軽いΛハイパー核(A=6,7)に対して,従来のα+x+Λモデルをrefineした詳細な計算が実行されて信頼性を高めるとともに,Nハロ-やストレンジネス・ハロ-等の新しい興味ある様相の提起が行われた。 2.ハイペロン核子間のLS力に着目した研究では,p殻や重いハイパー核において,従来より大きなLS-splittingsが予想され,OBEモデルとの関連付けが議論された。 3.ハイパー核の弱崩壊確率のうち,非中間子型崩壊過程では理論的にも不明確な要素が多く,各種の理論的試みが必要である。π中間子交換ポテンシャルのみ(V_π)では実験事実の定性的説明すらできないので,どのような拡張をすべきかが問題となる。そのうち,2π/ρ交換のテンソル力はV_πのものと逆符号で打ち消しあう,また中心力は弱いままで崩壊幅の理論値は実験値より小さくなる。さらに2π/σ交換を取り入れると、中距離領域で強い中心力を与え,和V_π+V_<2π/ρ>+V_<2π/σ>は,軽いs殻ハイパー核の崩壊幅Γ_<NM>はほぼ説明できるが,比Γ_n/Γ_pは実験値に近づいていくもののまだ不十分であること等が示された。
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