研究課題/領域番号 |
07640427
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
尼子 勝哉 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (50044772)
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研究分担者 |
吉田 肇 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (10111775)
佐々木 節 高エネルギー物理学研究所, データ処理センタ, 助手 (50259983)
森田 洋平 高エネルギー物理学研究所, データ処理センタ, 助手 (00212267)
神前 純一 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (60169787)
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キーワード | 測定器シミュレーション / 大規模ソフトウエア・プログラム / GEANTプログラム / オブジェクト指向解析 / 設計 |
研究概要 |
オブジェクト指向解析/設計の第一段階は、設計対象(GEANT測定器シミュレーション・プログラム)の問題分析/仕様要件文書の作成から開始される。平成7年度の研究の第一段階として、以下の順序に従いこれを完成させた。1)現GEANTプログラムの仕様を再検討し、問題分析/仕様要件文書の第1版を作成する。2)これを全世界のGEANTプログラムのユーザー連絡網に配布し、そこから意見徴集を行う。3)上記の情報を下に、問題分析/仕様要件文書を改訂し完成させる。この仕様書は、全世界の現GEANTユーザーに回覧され、そこからの意見を聴取し幾回かの改訂を行った。このようにして完成した仕様書は、ESAPSS-05という仕様書形式にまとめた。 引き続き、この完成された仕様書に基づき、測定器シミュレーション・プログラムのオブジェクト指向解析を行った。この解析に先立ち、ソフトウエア工学の分野で種々提唱されているオブジェクト指向解析/設計手法のうち、現研究に適したものの検討を行った。手法自体の妥当性とそのソフトウエア支援ツールの有用性という観点から、最終的にBooch法を採用した。このBooch法を用い、オブジェクト指向解析の最終目標であるプログラム構築に必要な各種クラス/オブジェクト間の静的及び動的関係の決定を行った。具体的には、シミュレーションの根幹で必要となるオブジェクト及びその役割を、オブジェクト・ダイアグラム、イベントフロー・ダイアグラムで記述し、オブジェクト指向解析における上位部設計を完成させた。オブジェクト指向解析技術は高エネルギー物理学実験が必要とする大規模ソフトウエア・プログラムの開発にとり、大きな変革を与えるものと予測される。その根拠は平成7年度の研究により、旧GEANTプログラムをモジュラー化された、相互干渉の少ない、拡張容易なプログラム構造へ転換させることができたからである。
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