研究課題/領域番号 |
07640427
|
研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
佐々木 節 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (50259983)
|
研究分担者 |
吉田 肇 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (10111775)
森田 洋平 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助手 (00212267)
神前 純一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60169787)
|
キーワード | 測定器シミュレーション / 大規模ソフトウエア・プログラム / GEANTプログラム / オブジェクト指向解析 / 設計 |
研究概要 |
平成7年度、平成8年度の2年間で行った、測定器シミュレーション・プログラムのオブジェクト指向技術を用いた解析・設計の成果に基づき、平成9年度はそのプログラム実装を行った.測定器のジオメトリの記述は、計算速度の最適化をシミュレーション・プログラム自身が自動的に行うようにした。これにより、ユーザーは測定器のジオメトリを正しく記述しさえすれば、その記述手法の熟練度に関係なく高速での計算が可能となった。また、CADファイルから測定器の幾何学形状を読み込むインターフェイスが用意した.シミュレーション結晶の恒久保存の手法として、オブジェクト指向データベースを使用できるが標準データベースのインターフェイスを開発した.また、小規模な実験やビームテストなど、高性能なオブジェクト指向データベースを必要としないシミュレーションにも対応できるインターフェイスの開発も行った。更に、シミュレーションの利用者を3つのレベルに分類し、各々の習熟度レベルに対応してプログラム機能が調整できるようにした.最高習熟度レベルのユーザーの場合にはプログラムに新たな機能の追加を自由に行ったり、逆に、不要な機能を取り除いたり出来るようにした.中級ユーザーの場合には、プログラム本体には手を触れずに、user actionと呼ばれるクラス群を用いて自分のシミュレーションプログラムを作成することができる.初級ユーザーにとって重要な機能は、多岐にわたる描画機能と使い易いユーザー・インターフェイスである。このために、様々な画像処理やグラフィック・パッケージを開発した。これらのパッケージは、プログラム内では全て抽象的に、同等に取り扱われており、ユーザーの計算機環境に合わせて自由に選択できる。また、近年普及が目覚ましいVRMLを出力する機能も開発した。3年間の研究を通じて、オブジェクト指向技術のHEPへの適応性の検証、この新しい技術によるHEPソフトウェア製作手法の革命的転換、国際協力によるソフトウェア開発手法の確立、低エネルギーから超高エネルギーにわたる実験で使用できる測定器シミュレーターの開発を達成した.
|